鑑定士と顔のない依頼人の感想

あんまり面白くなかったし好きじゃない。

でも何か言いたくなってしまう。普段、好きじゃない映画に感想を抱くことなんてないし何なら途中で見るのを止めるけど、最後まで見た。

だからきっと面白い面白くないとか、好き嫌いとか、そういう問題じゃなく、心に残るエネルギーを持った映画だったんだろうと思う。

探偵映画じゃなかった

僕はミステリー映画が見たくて、面白そうなこの映画を見た。ある意味、ミステリー映画なのだろうけど、期待していた映画じゃなかった。

期待していた内容は、鑑定士がその鑑定能力を使って刑事や探偵が気づかないことに気づいて事件を解決する。そういう変わり種の探偵映画を期待していたのだ。

オープニングはいかにもそんな映画が始まりそうだった。人嫌いな格好いい紳士が事件を解決しそうな雰囲気だった。

割と早々に爺さんのロマンス映画みたいになって、クッソ退屈な展開が続くようになった。

爺のラブコメには全く興味がないので、それが延々と長尺で続くのにはウンザリだった。

この映画、長すぎない? もっと短くできたよね。大したプロットじゃないでしょ。

俺は長い映画って時点でダメだ。長さに意味がないのは最悪だ。

大体、爺さんに若い女が恋をするなんて有り得なくない? 金目当てじゃない限り。

どんでん返し?

映画を見終わった後、何の捻りもなく最初から怪しい人たちが犯人でしたー! って感じだったので、何が目的の映画なのか分からなかった。

若い女に爺が騙されてるんじゃないの? 騙されてましたー!

ついでに爺さんに恨みがある爺さんも、やたらと爺さんの不気味な初恋を煽っていたエンジニアもグルでしたー!! 怪しい人たち皆犯人!!

そりゃそうだろうよ。

どうにも腑に落ちないので、色々な感想を見てみたが、どんでん返しがすごい! みたいなことが書かれていて、どんでん返しとは一体どういう定義なのか? と思ってしまった。

普通に最初から怪しかったよね?


と思ったが、おそらくヒロインを好きになれれば主人公と同じ気持ちで騙されたのかも知れない。

しかもあんなメンヘラを。

やたらリアルなメンヘラヒロイン

ヒロインのキャラクター、本当にリアルで嫌だった。

・よく謝る。
・努力しているアピールをする。
・あなたのおかげ的な感謝をする。
・構ってもらえると全力で嬉しがる。
・突然情緒不安定になる。(アンガーアタック的な)

ちょっとリアルすぎてひく。

内向的で少しコミュニケーションに難があるけれど、本当は心優しい魅力的な女性なの。

くらいにデフォルメしてほしかった。

メンヘラ女っぷりがリアルすぎる。

それに童貞が振り回されるのもリアルすぎる。

恋愛初心者がメンヘラと付き合い出して

「俺が守ってやらなきゃ」とか「俺がいなきゃダメだ」

的なことを言い出すのは辛い。

そういう依存の強い女は、放置しておけばケロッとした顔で数日後には次の男ができてる。

だからこそ終始ヒロインが嫌いだった。いくら美人とはいえども。


最終的にはミステリーとしては全然クソ。プロットも好みじゃない。面白くはなかった。

ただヒロインがやたらリアルだった。

結局、キャラクターが良かった。ということなんだろうな。

ヒロインが嫌いと書いたが、別にけなしているわけじゃなく、一人の人間として嫌いになれるほどの人格(キャラクター性)を持っている。という意味だ。

薄っぺらいキャラクターではなく、ちゃんと人間味があるというか。

そのヒロインの動機が分からなかったのが、モヤモヤする。

モヤモヤするが、きっとそれは明かされなくて良い真実だと思う。

そう思えた映画だった。


まぁ心には何かが残ったが、全然好きじゃないんだからね!!(ツンデレ)