何をもって初夢というのかは諸説あるようだが、この記事では元旦の夜~2日の朝にかけて見た夢を初夢とする。
初詣に出かけていた。
知らないお寺だ。やたらと背が高いお寺で、扉や窓が一切ない代わりに梯子がかかっている。
梯子を登ると舞台のようになっており、そこに青年と少女がいて神様にお供えをしているようだった。
壁と天井のわずかな隙間からお供えを差し込んでいる。
ふと青年が神様について教えてくれる。
「なんでも願いを叶えてくれる神様だが、良い神様とは言えない。本堂の中に入れたら願いを叶えてくれる」
僕は願いを叶えてほしかったので本堂に入ろうとしたが、壁と天井の隙間は狭く入れない。
そこで床を調べると何か文様が描いてある。文様に触れると、ただの壁に窓と扉が不意に出現し、そこに女神様がいた。
女神様は怪しく微笑むと本堂の中から出てきた。
僕はその姿に得体の知れない恐怖と、色気、愛嬌を覚えた。
怖いのだけれど、好きになってしまう。不思議な感覚だった。
女神様は何も言わないが、頭の中に「願いを言え」という意志だけが伝わってきた。
驚きのあまり言葉を発せないが、その意志にこたえて僕はやらしいことを考えた。
舞台の隅に控えていた少女が急に僕に寄り添ってきた。あぁ、女神様が早速願いを叶えてくれたのだ。
なんだか自分のやらしい思いが恥ずかしくなり、僕はうつむいてしまう。
女神様は自分の前に座り、背を向けるとそっと上半身の着物をはだけた。
首から肩、腕にかけて複雑な文様の入れ墨が施されていた。あとおっぱいも見えていた。
直視できない僕は目をそらすと、本堂の隅の方にアナグマに似た茶色い貂(テン)が寝転んでいた。
と、まぁそんなところで目が覚めた。
縁起が良いのか悪いのかは分からない。でも神様が出てきてくれたので、縁起が良いってことにしておこう。
起きてから少し調べてみたところ、夢の中に出てきた女神様によく似た特徴を持つ神様は荼枳尼天というらしかった。
・女神である。
・誰の願いでも聞いてくれる。
・元は夜叉であり後に仏に帰依している。
・貂を眷属にしている。
・性交に通じている。
日本では、眷属は貂(テン)ではなく狐だという話だが、本来は野干(ジャッカル)を眷属とするのだという。
中国に伝わった時に中国にはジャッカルがいなかったので、野干は狐や貂を指すようになった。
日本に伝わったときに狐に固定され、稲荷神としての性質を持つに至ったという。
まぁ荼枳尼天と決まったわけではないが、夢に出てきた神様と特徴は合致する。
これもなにかの縁と思い、今日はすすきのにある豊川稲荷札幌別院を詣でてきた。
お願いをするのは忘れたが、帰るときに健康祈願のお守りを買って、おみくじをひいてきた。
おみくじは末吉だった。
どうか今年も良い年になりますように。神様仏様お願いします。
どうでもいいが、実家は浄土真宗なので加持祈祷の類はしないのだが。
まぁ、いいか。