僕はたまに話の流れで「落語が好き」みたいなことを言う時があるんです。ただまぁ嘘なんですよ。落語が好きなのは嘘なんです。
完全に嘘ではないんですが、まぁ聞いてください。
僕が落語を知ったのは小学生の低学年の時。図書館で読んだ子供向けに書かれた落語の本だったんです。
イラストがたくさん載ってたんですが、今でも覚えてますよ。頭山のイラスト。
子供にわかりやすくイラストを載せているはずなのに全く意味がわからないんですよ。シュールすぎるんです。
それで頭山を読んで好きになりました。
同じ本の中に弥次郎もありましてね。北海道住みだったんで妙に面白かったんです。
それで落語って面白いなぁと思ってたんですが、あくまで読んで面白いってだけで落語そのものは見たことがなかったんです。
小学生の頃はテレビのチャンネル選択権はなかったんでね。テレビで落語を見ることもなかったんです。
物語として読むのは好きだけど、落語ってのを見たことも聞いたこともなかったんです。
でもまぁ時々、僕の人生に落語チャンスが入ってくることはあったんですよ。
落語を翻案した短編小説だったり、ドラマだったり。
好きな芸人さんが元落語家だったり、落語マニアだったり。
よくデートしてた女性が浅草好きだったりして。
その度に、テレビで落語を見たり寄席に行ったりするんですが、いまいちピンと来ないんです。
これ言っちゃおしまいかもしれませんが、落語って聞き取りづらくないですか?
何喋ってるか聞き取れないんですよ。枕はともかく、本編が江戸弁じゃないですか。年取ってる人も多いし声も迫力があって怖いし。円楽の死神なんてね、泣きますよ。怖さのあまりに。
僕が北海道出身の田舎者ってのもあるんでしょうけどね。聞き取れないんです。
ストーリーとしては面白いし好きなんですけど、演芸としての落語が全然ピンと来ないんですよ。
だから僕が落語が好きっていうのは嘘なんです。
まぁでも割と最近、教えてもらった柳家喬太郎は聞き取りやすいし死ぬほど笑ったんで、やっぱり落語好きってことにしておきます。
あとニコ生で中継放送してる渋谷らくごっていうのはよく見てます。初心者向けを謳ってるだけあって分かりやすく面白いんです。聞き取れるし。
なので最終的には、どちらかといえば落語好きくらいにしておいてください。そして分かりやすい落語家さんを教えてください。