シェフ 三ツ星フードトラック始めました 感想

記事の冒頭に思い切り予告編の動画を埋め込んどいてアレなんだが、予告編は見ないほうが良いよ。ほぼ予告編の内容しかない映画だから。

僕はしっかり予告編を見てから本編を見たんだけど、期待を裏切らない映画だった。

はっきり言って最高の映画。

台詞回しが良い。とりたてて名台詞があるわけじゃあないが、全体的な台詞回しが心地よくて面白い。字幕版を見たのだけれど、字幕は情報が少ないのでなんとか頑張って英語も聞き取ろうと努力した。それくらい台詞回しが面白かった。

音楽も良く、要所要所で心地よいサウンドが流れるものだから気持ちよく見れる。

それになんと言ってもストレスフリーな展開。最高。適当にえへらえへら見れる。本当、事件とか事故とか悲劇とか喧嘩とか、そういうの一切ない。

料理シーンは力が入ってて美味しそうだし、出てくるキャラクターも好感が持てる。ちょっと嫌な役どころに名優をあてているのもGOOD。

テンポよく進んでいき楽しいシーンの連続で、本当にぼーっと見るのには最高。

心地よい映画だった。

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裏を返すと、平坦なご都合主義的な展開が続くだけの退屈な映画とも言える。

まぁ何ていうかストレスを抱えた疲れた男性向けの映画だろう。

上司に反抗してクビになるも、良い仲間と家族に恵まれてビジネスが成功して、家族愛もより深まる。

奥さんもガールフレンドもとびきり美人。息子は賢くて可愛い。助手は人情に厚く仕事もできてユーモアセンスもある。

ありがちすぎるし、実にご都合主義だ。見る価値なんてない。

日常に退屈している勤め人がこんな人生送りたいな~とか思いながら適当に見る映画だ。

そこにこそ価値がある。そこそこ笑えて感情もあんまり動かされず、適当に見れる。最高の映画だ。

そういう映画が見たい時に、ぜひ見よう。僕は完全に好き。

蕎麦の安い店(札幌)

東京で会社員をやっていた頃、よく通っていた立ち食いそば屋があった。

味じまんというお店で安いし美味い。東京の蕎麦らしい黒いつゆ、たくさんあるトッピング、給料日にはカツカレーも食べた。我が青春の立ち食いそば屋である。

今でも元気に営業しているらしく、また東京に出かけることがあったら食べたい味だ。

東京で暮らしていた頃は、本当によく蕎麦を食べた。安い蕎麦屋が多いし、本当にあちこちにあるもんだから、ちょっと小腹が空いた時にスルッと食べやすい。

蕎麦は良い文化。北海道にも富士そば来てくれない? 頼むよ。

そんなこんなですっかり安い蕎麦屋に口が馴染んだ頃、北海道札幌に帰ってきたわけだが、札幌にはあんまり安い蕎麦屋がなくて困った。

もちろん北海道は日本でも有数の蕎麦の産地であるから、美味しい蕎麦屋には事欠かないんだが、その分お値段もしっかりしている。

美味しい蕎麦も良いけど、安い蕎麦を手繰る楽しみってのもあるざんしょ。

そんなわけで、札幌の安くて美味い蕎麦屋を書いておきたい。

まずは大本命のひのでそば。地下鉄大通駅からアクセスしやすい。

天ぷらそばが美味いんだが、最近天ぷらが豪華になった。豪華になって文句を言うのもアレだが、変わる前の天ぷらも好きだったよ。

大通駅は他にも立ち食いそば屋がある。

そば処 はまなすには「ちくわの天ぷら」があるので、ちくわの天ぷらファンははまなす行くべき。蕎麦自体は非常に上品で立ち食い感はあんまない。美味しすぎる。(悪いことじゃあない)

Cafe de MAXという元々コーヒー売ってたのに、今やすっかり立ち食いそば屋になってる店もある。美味しくはない。非常にGOOD。やる気のなさもポイント高いし、名前がカフェドマックスなのに売れるからってどんどん蕎麦屋になっていくのも面白い。

開店した当初、本当オシャレなコーヒー屋さんだったんだよ。まじで。なーんで蕎麦はじめたんですかねぇ。ポイント高い。ただ蕎麦はまずいです。

立ち食いそば屋としては、やっぱり「ひのでそば」が一番オススメですねぇ。味だけなら「はまなす」も良いんですが、言っちゃ悪いけど、どこでも食える味なんすよねぇ。個性が弱いんだ、はまなすは。でもちくわの天ぷらがあるから好き。

あとは北海道ではチェーン展開している信州庵が安くて美味しい。

この店、やっすいチェーン店には珍しく「あつもり」が食べられるんですよ。

蕎麦のあつもりって気の利いた蕎麦屋でしか食べられないと思ってましたが、信州庵でも食べられるんです。

いっつもあつもりかき揚げをねー食べるんです。熱くて濃いつゆにかきあげ沈めて、お蕎麦と食べるんです。いんやー美味いんだコレが。蕎麦の香りが強く感じられて、普通のもりそばより断然美味いんです。

上方の方ではあつもりの名店なんてのもあるらしいじゃないですか。いつか蕎麦を食いに行ってみたいな西日本。

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まぁ安い蕎麦屋っていうと全国チェーンのゆで太郎も職場の近くにあったんですが、なくなったんですよね。ちょっと中心部から離れたところにはまだあるんですが。

ゆで太郎、カムバーック!

あとはまぁ他にも安い蕎麦屋っていうのは何件かはあるんですが、あんまりオススメできない店ばっかなんですよねぇ。

安くて美味い蕎麦屋ってのは本当東京には敵いませんね。それなりの値段で美味い店なら、札幌にもいくらでもあるんですが。

本当、富士そば来てくれないかな。I LOVE 富士そば。あんなに安いのに美味い蕎麦出してんじゃねーぞ!! ずるいぞ!! 富士そばー!!

2019年の初夢

何をもって初夢というのかは諸説あるようだが、この記事では元旦の夜~2日の朝にかけて見た夢を初夢とする。

初詣に出かけていた。

知らないお寺だ。やたらと背が高いお寺で、扉や窓が一切ない代わりに梯子がかかっている。

梯子を登ると舞台のようになっており、そこに青年と少女がいて神様にお供えをしているようだった。

壁と天井のわずかな隙間からお供えを差し込んでいる。

ふと青年が神様について教えてくれる。

「なんでも願いを叶えてくれる神様だが、良い神様とは言えない。本堂の中に入れたら願いを叶えてくれる」

僕は願いを叶えてほしかったので本堂に入ろうとしたが、壁と天井の隙間は狭く入れない。

そこで床を調べると何か文様が描いてある。文様に触れると、ただの壁に窓と扉が不意に出現し、そこに女神様がいた。

女神様は怪しく微笑むと本堂の中から出てきた。

僕はその姿に得体の知れない恐怖と、色気、愛嬌を覚えた。

怖いのだけれど、好きになってしまう。不思議な感覚だった。

女神様は何も言わないが、頭の中に「願いを言え」という意志だけが伝わってきた。

驚きのあまり言葉を発せないが、その意志にこたえて僕はやらしいことを考えた。

舞台の隅に控えていた少女が急に僕に寄り添ってきた。あぁ、女神様が早速願いを叶えてくれたのだ。

なんだか自分のやらしい思いが恥ずかしくなり、僕はうつむいてしまう。

女神様は自分の前に座り、背を向けるとそっと上半身の着物をはだけた。

首から肩、腕にかけて複雑な文様の入れ墨が施されていた。あとおっぱいも見えていた。

直視できない僕は目をそらすと、本堂の隅の方にアナグマに似た茶色い貂(テン)が寝転んでいた。

と、まぁそんなところで目が覚めた。

縁起が良いのか悪いのかは分からない。でも神様が出てきてくれたので、縁起が良いってことにしておこう。

起きてから少し調べてみたところ、夢の中に出てきた女神様によく似た特徴を持つ神様は荼枳尼天というらしかった。

・女神である。
・誰の願いでも聞いてくれる。
・元は夜叉であり後に仏に帰依している。
・貂を眷属にしている。
・性交に通じている。

日本では、眷属は貂(テン)ではなく狐だという話だが、本来は野干(ジャッカル)を眷属とするのだという。

中国に伝わった時に中国にはジャッカルがいなかったので、野干は狐や貂を指すようになった。

日本に伝わったときに狐に固定され、稲荷神としての性質を持つに至ったという。

まぁ荼枳尼天と決まったわけではないが、夢に出てきた神様と特徴は合致する。

これもなにかの縁と思い、今日はすすきのにある豊川稲荷札幌別院を詣でてきた。

お願いをするのは忘れたが、帰るときに健康祈願のお守りを買って、おみくじをひいてきた。

おみくじは末吉だった。

どうか今年も良い年になりますように。神様仏様お願いします。

どうでもいいが、実家は浄土真宗なので加持祈祷の類はしないのだが。

まぁ、いいか。

2018年を振り返って

漫画を描いた。(同人誌がほんの少し売れた)

ゲームを作った。(記事を書いてもらった。実況もしてもらった)

小説を書いた。(佳作もらった)

映画撮った。

すこーしずつ、すこーしずつ自分が作ったものたちが静かに評価をもらっている。

2019年はもっと頑張りたいでござるなー!!

なー!!

寒い夜が好きだ

12月、北海道の冬は厳しい。

雪が道を覆い、気温は氷点下。間違っても外には出たくない。

暖かい部屋でストーブにあたりつつ一人、酒を飲む。

煙草を呑みたくなり机の上の煙草をつかむが、中身は空である。あぁ、煙草が切れた。

ほろ酔い気分。体も温かい。暖房の効いた心地よい室内。

絶対に寒い外には出たくない。

だが、煙草を吸いたいという欲求には勝てず、重い腰を上げて出かける準備をする。

部屋着の上から適当に防寒具を羽織り、寒い夜の下へと歩き出す。

真っ暗な住宅街にポツポツと街灯がともる。

道は雪に覆われて怪しく輝いている。

吐き出す息の白さに見とれながら、一歩一歩とゆっくり冬の道を歩く。

遠くに見えるコンビニの灯りを目指して、ひたすら歩く。

耳に響くのは心地よい音楽。最近ラジオで知ったアーティスト、竹内アンナのアルバムを聞きながら歩く。

まだ冬ははじまったばかりだ。これから数ヶ月、厳しい寒さに耐えながら生きなくてはならない。

酒で紅潮した頬に冷たい風がピリっとする。

そのうちコンビニにたどりつき、煙草を買う。ずっと吸いたかった。

カウンターのおでんに心惹かれながらも、コンビニを出る。

ふと冬の空を眺めながら、思う。

「家に帰って、酒を飲みながら買ったばかりの煙草をふかしたい」

また10分ほどの道を歩いて帰らなければいけない。

珍しく車が通った。

静かな夜の住宅街に響く車の走行音。

なんとなく寂しい気持ちになる。

耳には相変わらず心地より音楽が響いている。

「ティロリン」

やけに明るい通知音が聞こえた。

スマホをポケットから取り出しチェックする。

仲の良い女の子からのメッセージだった。

あわよくば付き合いたいと思っている女性からのメッセージに心が温まる。

家に帰ったら返事をしよう。

凍える夜道を歩く。

家に帰るのが楽しみだ。

暖かい部屋、呑みかけのお酒、買ったばかりの煙草、想い人への返事。

楽しいことがいっぱい待っている。

あぁ。

ならば、この凍える寒い道も悪くない。

震える肩を抱きながら夜道を急ぐ。

早く帰らなくては。

今夜も寒くなりそうだった。