偏見に満ちたカレーまん考

知人とボイスチャットをしている時に大喜利の流れになった。

「もう二度と行かないと思ったコンビニ。どんなコンビニ?」

誰も答えなかったので、俺は自分で振ったお題に自分で答えた。

「中華まん食べたいなーと思って入ったらカレーまんしかない」

俺の答えが面白いか面白くないかは、この際どうでもいい。

参加者の一人が俺の答えを聞いて、こう言ったのだ。

「私はカレーまん好きだけどね」

ウソつけ!!!!!!

カレーまんが好きなヤツなんかこの世にいるか!!

カレーは皆大好きさ。でもカレーまんは別! カレーまんが好きなヤツなんていない。

不味くはない、レベルの食べ物だろアレは。決して美味しくはない。

肉まんもあんまんも飽きたなー。たまには違うもの食べよう。

そんな時ですらピザまんを食べるだろう。ピザまんは美味い。

どんだけ中華まんに飽きてたらカレーまんを食べるんだ? あの黄色いまんじゅうをよ。

確かに一度くらいは食べてみるさ。

食べてみて「うーん、別にもう二度と食べなくても平気だな」っていう感想を抱くものだろう。

嫌いなのか、って言われると違う。別に嫌いじゃない。

好きじゃないだけ。

金払って食うもんじゃない。

実際、ちょっと調べてみてもカレーまんが好きなヤツなんかいないじゃないか。作ってるところも人気ないです。って言っちゃってるし。

寒い日になると中華まんが売れるが、最後に余るのがカレーまん。

蒸し器の中でポツンと黄色いまんじゅうが残っているのをよく見かけるだろう。

「中華まん食べたい気分だし、カレーまんでもいいか」

という妥協の元に買うものだ、アレは。そんで食べてみて、やっぱり美味いものでもないな。って思うヤツだ。

おそらく「カレーまん好きだけどな」とか言った人も、絶対に好んで自分で買うほどじゃないはずだ。

嫌いじゃないよ、くらいのニュアンスに違いない。

もしくは逆張りが大好きなんだ。人とは違う個性的な私を表現するためにカレーまんが好きだとと言う。

何度でも言うがカレーまんが好きな人間なんて、この世には存在しない!!

または会話にバラエティを持たせようと言ったのかもしれない。

よく「目玉焼きに何かける?」なんて話すと「ケチャップ」だとか「ソース」だとか「塩コショウだけ」とか言うヤツがいる。

絶対嘘やんけ。みんな醤油かけて食うじゃんけ。(何弁?)

人と違うことを言わなきゃ! かぶっちゃダメ! バラエティ持たせなきゃ! みたいな考えで、醤油以外の答えを捻り出している。

本当は満場一致で「醤油」のはずなのに、それじゃ話が持たないから皆適当に違うものを言う。

個性を発揮すな! 醤油かけて食っとけ!

「いや私は本当に目玉焼きにケチャップかけて食べるよ」

うるせー!!!!!!!!!!!!!!!

「本当にカレーまん好きだよ。あえて買うよ」

嘘つくんじゃねー!!!!!!!!!!!!!!!

「でも豚の角煮まんは食べない。アレは美味しそうで期待して食べると絶対に期待を裏切られる」

わかるー!! 超わかーるー!!

豚の角煮まんマジでいらねー!!!!!!!!!!

 

あとチーズカレーまんは俺も大好き!!

あれは美味い。

バカリズムの経験人数

4年くらい前にバカリズムのラジオにオードリーが来てた時に経験人数の話が出たんです。

バカリズムが「本当経験人数少ないよ。少なすぎて好感度上がるかも」って言ってたんですよ。

へー何人くらいなのかなー。って思って聞いたら

「10人」

って言ったんです。

それ以来、バカリズムが何となく嫌いだったんですよ。

前振りでアレだけ「少ない少ない」と言ってて、10人という割と多い数字だったのがイラっと来たんです。

金持ちの貧乏自慢みたいな嫌味に聞こえたんです。

その後、オードリーの二人も経験人数言ってました。まぁオードリーは雑な前振りがなかったんで、どうでもいいんです。

 

で、去年あたりにネット配信でまた経験人数の話をしてて、その時にもバカリズムが「10人」って言ってたんですよ。

4年前と人数が変わってなくて、ちょっとバカリズムが好きになったんです。

人気芸人なんですから3年もあったら人数が増えてても良いじゃないですか。でも変わってなくて、身持ち固いなぁーって。

はぁーあのラジオも含めて壮大な伏線(前振り)だったんだなぁ、と勝手に好感度上がったんです。

さすがバカリズムさんやでぇ。って。

 

ちなみにオードリーの春日の経験人数は2人増えてた。

ジャスミン茶がめちゃくちゃ好き

お茶の中で何が一番好きってジャスミン茶が好き。

緑茶に茉莉花の香りをつけたフレーバーティーで、香り以外はただの緑茶だ。僕は緑茶も好きだが、あの茉莉花の香りが最高に好きなのだ。

最近ではセイコマートのジャスミン茶(恵庭岳の純水仕立て)を愛飲している。食事の時も単なる水分補給の時も。セイコーマートのジャスミン茶は美味いぞ。そんなに香りがキツくないし飲みやすい。

 

僕がジャスミン茶好きになったのは小学校二年生の時だ。これは今でも覚えている。それだけ衝撃的だったから。

正確に言えばジャスミン茶ではなく「さんぴん茶」という沖縄のお茶なのだが、まぁジャスミン茶みたいなもんだ。

当時、田舎のよく分からない裏道にポツンと「おやき」の屋台が開店したのだ。おやきと言うのはいわゆる「今川焼き」とか「大判焼き」とか呼ぶあのお菓子だ。北海道ではあのお菓子をおやきと呼ぶ。

僕はおやきにハマってよく通って食べていた。姉の貯金箱から小銭を盗んでおやきを食べていた。

その屋台にある日突然、さんぴん茶が売りに出されていたのだ。

沖縄のお茶がなぜ北海道の片田舎のおやき屋で売っていたのかは不思議だが、そのさんぴん茶は1缶が60円で他の飲料に比べると随分安かった。

普通のお茶だと思い買ったさんぴん茶は不思議な香りがして、とても爽やかな味だった。どこか涼しげな気がした。

それ以来、僕は屋台に行ってはおやきとさんぴん茶を楽しんでいたのだが、親に姉の貯金箱から小銭をパチっているのがバレて怒られた。

それが原因でしばらく現金を取り上げられた僕はおやきとさんぴん茶に別れを告げたのだった。

 

それ以来、僕はジャスミン茶を飲むとその時の記憶が甦る。あの懐かしいおやきの思い出が。

 

 

しかし別に良い思い出ではないため、なんだか微妙な気持ちになるのだ。

うん、ジャスミン茶うまいな!

昆布っていつから好きになったんだろう

僕は益体もない話が好きなので、おにぎりの具で一番好きなのは? みたいな話が好きだ。

梅干し、鮭、ツナマヨ、おかか。ここらへんは定番中の定番だ。

たらこ、ちりめんじゃこ、高菜、すじこ。贅沢だ。もちろん美味い。

僕は断然わかめおにぎりが好きだ。塩っ気のあるコリコリしたワカメが美味い。子供の頃から好きだ。

そう、わかめは子供の頃から好きなんだよなぁ。

 

ここ数年、コンビニでおにぎりを買う時に昆布を買うことが多い。昆布の佃煮がごはんに合う。

しかし幼い頃は昆布が嫌いだった。

実家はご飯を炊く時に昆布を入れることがあって、白米に昆布の香りが移るのがすごく嫌いだった。

佃煮や煮しめなんかもよく出たが、どれもヌルヌルしてるし妙に甘いしで好きになれない。

やたらと食卓に並ぶ昆布に飽き飽きしていた。

しかし数年で実家の昆布ブームも去ってしまい、あまり食卓に昆布が並ぶことは少なくなっていた。

たまーに正月料理に入っていることはあったが、食べようとは思わなかった。

 

大人になって、転職した先で僕の歓迎会をやってくれることになった。

幹事の社長が「なにか苦手な物はあるかい?」と言ってくれた。

「特に好き嫌いはないです」と答えたが、久しぶりに昆布のことを思い出した。

「そういえば昆布はあまり好きじゃないですね」と答えたら「逆に昆布をメインに出す店を知らない」と笑われた。

そして「昆布が苦手ってあんまり聞かないね」と言われた。確かにあんまり聞かないかもしれない。

 

楽しい飲み会が終わって、帰り道にコンビニに寄った。

まだ昆布のことが頭に残っていたので僕は昆布のおにぎりを買った。

冷たい夜風に頬を撫でられながら、歩きながら昆布のおにぎりを食べた。

ほろほろと崩れる冷えた白米の中に昆布の歯ごたえがあり、時折白ごまを感じた。甘辛く旨味にあふれた昆布が最高にご飯に合っていた。

あぁ、昆布美味しいじゃないか。全然、嫌いじゃない。

 

同時に僕はなぜ実家で昆布ばかり出ていたのか思い出した。

祖母が昆布好きだったんだ。

幼い頃は祖母と同居していて、忙しく働く母の代わりに祖母に面倒を見てもらっていた。

祖母は田舎料理しか作らない人だったから、あんまり彩りの良い食卓じゃあなかった。それが不満だった。

いつしか祖母とは別居し、祖母の手料理を食べる機会がなくなった。それで昆布を食べなくなったんだ。

昆布ブームが去ったわけじゃなかった。祖母がいなくなってしまっただけだ。

なんとなく寂しい気持ちになった。

 

歳をとるたびに、祖母の田舎料理が恋しくなる。味覚もどんどんオッサンになっていく。

今なら昆布も美味しく食べられる。

もう一度だけでも良いから、祖母の田舎料理が食べたい。

 

ところで、昆布をいつ好きになったかでしたっけ。

いつの間にか好きになってました。

修学旅行でマックを食べた話

 今お酒を飲みながら楽しい気分で川柳少女という漫画を読み返していたのだが、そこで修学旅行のイベントが起こっていた。

 そこで中学の時の修学旅行をふと思い出した。

 修学旅行の班決めは完全なクジ引きで、特に仲良くもない同級生と旅行したのだ。

 その時に同じ班になったのが佐藤だ。ちょっとヤンキーが入っていて、年上の男と付き合っていると噂の女子だった。僕は当時からガチガチのオタクだったので佐藤とは全く付き合いがなかった。正直、苦手な女子だった。

 二日目の自由行動の時間だった。僕たちは青森で自由行動をしていた。お昼近くになり、この後何を食べるか? なんて話していた。

 その時に佐藤が言ったのだ。

「お昼なんてマックで良くない?」

 当時、僕たちは北海道の人口四千人くらいの村に住んでいた田舎者だった。それでも。それでも! せっかく旅行に来ているのにマクドナルドで昼食を済ませるのは嫌だと思った。

 旅行に来たらその土地の名物を食べるべし。美味しくなくても記憶には残るし。僕はそういう考えだった。

 結局、ヤンキー佐藤の提案どおりマクドナルドで軽く昼食を済ませて、次の観光地へと向かった。

 僕はこのことに不満を抱いてきた。なぜわざわざ旅行に来てマクドナルドを食べなくちゃいけないんだ。と憤っていた。

 いくら田舎者と言えどもマクドナルドなんて食べようと思えば週一で食べられる。旅行の際には、無理してでも土地の食べ物を食べるべきだと思う。その気持ちは今でも変わらない。

 皆、それぞれの旅行観を持っているのだろう。

 特に、僕はヤンキー佐藤のことが嫌いだった。ヤンキーとオタクは相容れないし、佐藤は可愛くもなかった。オカメみたいなヤツだったし。

 

 しかし、当時はリアルだったヤンキー佐藤の面影も消えた。

 そして僕は今、可愛い二次元の女の子が出てくる漫画を読んでいる。

 脳がバグった結果、ヤンキー佐藤は可愛い二次元の女の子になった。

 佐藤は田舎に住む女子高生で、マクドナルドで昼食を済ませちゃう都会のドライな女子高生に憧れてる可愛いイモ女子高生になったのだ。

「昼なんかよー、適当にマックで良くね?////」

 それが都会派女子高生だと思い込んで照れながら無理に修学旅行でマクドナルドを食べる女子高生になったのだ。

 ふぅー!! 無理に都会派ぶりやがってよぉー!! 多分、都会の女子高生でも旅行先ではマクドナルド食べないと思うよ!!

 

 かーわいいー!! 田舎者のくせに都会派ぶって、お昼はマックで良くね? とか言っちゃう田舎者ヤンキー!! 超かわいいー!!

 やっべ。生まれて初めてヤンキー佐藤に萌えている。

 

 修学旅行でマック。良いね!

 そんなことを思いながら、グビグビ酒を飲んでいる。

 なるほど。歳をとるたびに、経験を積むごとに人生とはかくも萌えに包まれるのか。

 

 長く生きる価値はある。
 
 過去に嫌な思いをしていても、それを萌え体験に変えることができる。

 人生は生きる意味がある。